リスクマネジメント
当社およびグループの経営に重大な影響を及ぼすリスクを特定し、損失の回避、最小化を図るための組織的なリスク管理を行っています。事業活動を通じて発生するリスクについて、リスクマネジメント委員会において影響度や発生可能性等を総合的に判断し、リスク低減に向けた対策や進捗状況を審議しています。
1. リスクマネジメントの流れ
本社、工場の各部署、グループ会社において、定常業務に起因するリスクを網羅的に抽出した上で、部署別にリスクの大きさや緊急性の面から、優先的に取り組むべき「優先取組リスク」を選定し、対策状況等をリスクマネジメント委員会で審議します。さらに全社的に取り組むべきリスクを「特定重要リスク」として選定し、リスクマネジメント委員会を経てCSR委員会で審議を行い、年間を通じてPDCAを回します。

2. 特定重要リスクへの対応
リスクマネジメント委員会では、全社に係るリスク、または複数部門に係るリスクを「特定重要リスク」として選定し、対策の立案、および実施に係る一連の進捗状況を管理しています。
2019年度は、下表の5つのリスクを選定しその対策に取り組みました。
【特定重要リスク実績概要】
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リスク項目 | 想定リスク | 主な実績 | |||
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情報セキュリティ | システム停止 サイバーテロ 情報漏洩 |
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首都圏直下型地震における本社機能喪失時の対応 | 初動対応の遅れによる全社的な 機能不全 |
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危機管理広報体制の見直し | 事故・不祥事発生時の対外発表の プレスおよび不適切対応による レピュテーションリスク |
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子会社・関係会社管理 | 子会社・関係会社のリスク顕在化 |
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長時間労働対策 | 従業員の健康影響法令逸脱 | 長時間労働の削減と労働時間管理の意識強化 労働時間管理に関する部署長への管理強化周知 部門ごとの労働実態把握と分析 2020年度定期整備対策として2018年度の実績をもとに工程、体制、勤務時間等を見直し |
● 首都圏直下型地震への対応

首都圏直下型地震の発生を想定した本社大規模災害時初動訓練を実施しています。3回目となる2019年度は初期対応マニュアルに則った行動を実際に行うことで初動対応の課題を抽出しました。これらの改善によりマニュアルのブラッシュアップを図り、実際の対応に活かしていきます。
【2019年度訓練から抽出された主な改善事項】 |
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本部班 | 各班要員状況の確認と過不足の差配の改善 |
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全体 | 各班の自律的な対応力を高めるための改善 |
救護班 | 救護活動に必要な携帯用備品の準備 |
安否確認班 | 点呼、メールでの安否確認との情報照合の時間の短縮 |
自衛消防隊 | 執務室内従業員の安否確認方法の改善 |
● BCP基本方針の策定
当社では従前より首都圏直下型地震等の大規模災害に備え、設備の耐震化、老朽化への補修、更新対策、また自衛防衛組織の編成や定期訓練の実施など、ハード面、ソフト面において様々な取り組みを進めていますが、その根幹となる当社グループ全体の共通認識として「大規模災害に関するBCP基本方針」を制定しました。全従業員がベクトルを一つに、有事における迅速で冷静な対応はもちろん、平常時における対策についても継続的な改善を実施していきます。
基本方針 |
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想定ケース | 東京都区部直下を震源とするM7クラスの地震 23区内で震度6強以上の揺れ |
3. 優先取組リスクへの対応
部門別優先取組リスクは、年間計画に基づいて対策を行い、対策度を上げていくことでリスクの低減を図ります。2019年度期初の優先取組リスク88件のうち、期末で対策度が「4まったくできていない」「3あまりできていない」から、「2できている」「1よくできている」に向上した件数は16件となりました。
