トップメッセージ

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「インテグリティ」を重視し、
安全操業と安定供給を行うことが当社の経営の根幹です

2022年4月に社長に就任して以来、今まで以上に大切にしてきたことは「インテグリティ」です。インテグリティは誠実や真摯、高潔などの広い概念で理解されていますが、私は「誠実さ」と捉えています。当社は、ステークホルダーの方々に対する誓いとして10の行動基準「CC10(ChemiwayCommitment 10)」を定めており、その根底にも「インテグリティ」があると考えています。「CC10」の項目一つひとつを遵守し、誠実に行動していくことが最も大切なことです。
当社は「化学技術を基盤とし、くらしと産業の健全な発展に貢献する」を企業使命とし、コンビナートの中核会社として、多くのお客様のサプライチェーンにおいて重要な役割を担っています。安定した品質の製品を安全に供給し続けることが当社の経営の根幹です。また、お客様の製品の価値向上や環境負荷低減に貢献できる製品を生み出し続けることによって、社会に貢献できると考えます。お客様のみならず、すべてのステークホルダーとの信頼関係を維持・発展させていくためにも、「インテグリティ」が重要であり、その先に健全で持続的な成長があると確信しています。

不透明な時代だからこそ、2050年の在りたい姿を
将来を担う若手とともに
長期ビジョンを策定しました

新たな中期経営計画の策定と並行して、2030年の「在るべき姿」と2050年の「在りたい姿」とスローガンを長期ビジョンとして策定しました。社会は化石燃料の使用を削減し、2050年のカーボンネットゼロの実現を目指しています。また、生活様式の変化や安全保障を含む不安定な国際情勢とサプライチェーンへの影響など、先行き不透明な状況が続いています。こうした大変革時代においては、自分たちの将来像を明確に描くことが必要です。そこで、当社の将来を担う若手・中堅社員を中心に柔軟な発想で議論し、社員の想いを反映した長期ビジョンを策定したいと考えました。
若手社員たちとの長期ビジョンの検討にあたっては、丸善石油化学の歴史を振り返ることから始め、私たちの強みとそれを活かして社会にどう貢献していくべきかを4カ月という時間をかけて議論しました。まずは、2050年の在りたい姿をイメージしてから、2030年の在るべき姿と取り組みの方向性を議論し、最後に2050年の在りたい姿とスローガンを策定しました。若手社員からは実に多彩な発想やアイデアが出てきたことが頼もしく、多様な意見を募ったことは正解だったと感じています。長期ビジョンのスローガンも検討メンバーがつくり、「MakingProgress & Challenge ~人と化学で新時代を切り拓く~」となりました。このスローガンには「進歩と挑戦」を続けること、そして引き続き「化学」を根幹において、当社の企業風土である「助け合う」「風通しが良い」など「人」の良さを活かしながら、新時代を切り拓いていきたいという想いを込めています。

収益改善と新たな挑戦によって、
大きな変革を起こしていきます

2023年度からの第7次中期経営計画のスローガンは「変革への挑戦」としました。従来の考え方にこだわらず、変化や失敗を恐れずにチャレンジしていくことの大切さへの想いを込めました。
第7次中期経営計画では、まず前中期経営計画期間中に投資した新しい設備を大いに活用し、収益を上げていきます。基礎化学品については、足元の環境は厳しいですが、市況に依存しない収益改善策を講じます。化成品は、メチルエチルケトン(MEK)の需要が堅調であることから、増産施策を検討し実行していく考えです。また、成長が見込まれる製品を取捨選択のうえで投資を行います。フォトレジストポリマーについては、今後も半導体の需要に合わせ大きな伸びが期待されており、世界トップメーカーとしての責任を果たすべく、今後も投資を実行していく計画です。

そのほか、主要テーマとして、「安全工場推進プロジェクト」により、千葉工場の高圧ガスA認定の取得を目指します。認定取得には、高度な教育による保安・保全の仕組みを推進する人づくりに始まり、高度なリスクアセスメントやプロセス安全管理の考え方を定着させる必要があり、プロジェクト推進そのものが「安全ナンバーワン企業」を目指すステップです。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推し進めます。高圧ガスA認定の取得には、ビッグデータなどを活用したスマート保安の促進が求められますが、DX推進による業務改革を従業員が自らのリテラシーを駆使し、スピード感を持って推進することは変革につながるはずです。

サステナブルな製品の開発を加速させながら、
変革に自ら挑む人材の育成を推進します

コスモエネルギーグループは、2050年のカーボンネットゼロと2030年のCO2排出量30%削減(2013年比)を宣言しました。当社もこの実現に向けて、いくつかのプロジェクトをスタートしています。具体的には、2022年に、エチレンプラントにおけるアンモニアの燃料化と廃プラスチックのケミカルリサイクルの2つの技術開発でコンソーシアムを組み、「グリーンイノベーション基金事業」(NEDO)に採択され、この2つの技術の実用化に向けて着実に推進しています。また、カーボンニュートラル実現に貢献すべく、ISCCPLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)を取得しました。本認証制度に基づき、バイオマスナフサなどを原料としたサステナブルな製品をお客様に提供していきます。さらに、当社のエチレン製造で使用する燃料をアンモニアに切り替えることで、これまで燃料としてしか使い道がなかった、製品にしにくい石油の成分が余剰となるため、この燃料から石化製品をつくる研究を行っているほか、CO2を原料にしたアルコール合成の研究にも着手しました。
今後、「変革への挑戦」に邁進するには、これまでの延長線ではない考え方ができる人材と組織が必要です。長期ビジョン検討会の議論で、当社の良さとして、個人裁量が大きい風土や風通しが良く人とのつながりがある職場環境が挙がり、これらは変革を起こしていくための当社の大きな財産であると感じました。さまざまな枠を超えたコミュニケーションや協業を活発化させ、新たな課題に挑戦する人材の育成を行っていきます。
これから大きな変革を遂げていく丸善石油化学にご期待いただくとともに、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

※ グリーンイノベーション基金:経済産業省が主導し、2050年カーボンニュートラル目標に向けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に造成した、グリーン成長戦略における重点分野の研究開発・実証から社会実装までを支援する基金
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