2026年08月26日
半導体材料に求められる、かつてない品質水準
丸善石油化学は、半導体フォトレジスト用ポリマーにおいて世界的に高いシェアを有し、継続的に事業を拡大しています。
当社のフォトレジスト用ポリマーは、顧客の要求特性に応じたカスタムメイド品であり、代替が難しい製品として継続的に使用されるケースが多く、高い信頼性が求められます。
デジタル社会の進展に伴い、半導体はあらゆる産業を支える基盤技術として重要性を増し続けています。その性能と信頼性を左右するフォトレジスト用樹脂には、わずかな不純物やばらつきも許されない極めて厳しい品質が求められます。
こうした市場環境の中で、当社では2026年4月に機能性樹脂事業本部と機能性樹脂製造所を再編し、専門性の高い人材と設備を結集しました。これにより、各機能が一体となり、品質を組織全体でつくり込む体制を強化しています。
品質は、部門ではなく事業全体でつくる
当社における品質保証とは、開発・製造・営業・検査をはじめ、事業活動に関わるすべての機能と関係部署が連携し、組織全体で品質をつくり込み、維持・向上させていく取り組みを指します。
品質は、特定の部門の役割ではなく、事業全体に組み込まれた活動として、開発から製造、営業、検査へとつながる各機能の働きの中で形づくられています。
開発では、顧客要求を起点に品質を設計し、ばらつきを抑える工夫がなされます。
製造では、その設計を確実に再現するためのプロセス管理を徹底しています。
営業は顧客の要求や期待を正確に把握し、社内へとつなぐ役割を担っています。
検査は品質をデータとして可視化し、品質状態を客観的に示します。
さらに、これらの活動全体を関係部署が仕組みとして支えています。
分析技術が品質の精度を支える
当社では、GPCによる分子量測定、NMRによる構造解析、ICP-MSによる超微量金属分析などの高度な分析技術を活用し、微小な差異も見逃さない精密な評価を行っています。
さらに、クリーン環境下での測定により、外部要因の影響を抑えた高精度なデータ取得を実現しています。
こうして得られた検査データは、製品の良否を判定するだけでなく、開発や製造へのフィードバックとして活用されています。これらのデータには、開発における設計や製造における再現性といった各機能の取り組みが反映されており、品質保証の一部として組織全体の成果を示しています。
品質を支えているのは人と組織の力
設備や分析技術、仕組みが整っていても、それらを正しく理解し、適切に判断し、確実に運用するのは人の役割です。そしてその力は特定の部門や個人に依存するものではなく、事業全体に関わるあらゆる領域における人材の育成や、組織としての経験の蓄積によって発揮されます。
品質は、個々のスキルではなく、組織全体に広がる人の力によって支えられています。
教育と仕組みが品質を高める
こうした人と組織の力を継続的に高めていくため、当社では教育と仕組みの両面から品質向上に取り組んでいます。
その枠組みとして、品質マネジメントシステム(QMS)に基づき、開発段階から量産、顧客対応までを一貫して管理する体制を構築しています。各部門が連携し、継続的な改善を行うことで、品質保証の実効性を高めています。
ソフト面では、品質管理手法(QFD、DRBFM、FMEA/FTA)や品質教育、内部監査、失敗学や日常管理・方針管理といった取り組みを通じて、社員一人ひとりが品質の本質を理解し、自ら考え判断できる力の育成を進めています。さらに、品質小集団活動により部署を越えた対話と改善を促進し、組織全体としての学習と成長につなげています。こうした取り組みは外部からも評価され、2018年度に日本品質奨励賞(品質革新賞)を受賞しています。
一方でハード面では、統計解析や品質・リスク分析、業務のデジタル化といったDXの取り組みを推進しています。これにより、品質データの可視化と分析を通じた異常の早期発見や品質リスクの把握を実現するとともに、業務プロセスの見える化と標準化を進め、再現性の高い品質づくりを支えています。
このように、人の力を高める取り組みと、それを支えるデータとDXの仕組みの両面から、品質保証の実効性を高めています。
日々の積み重ねが、信頼を生む
品質は、組織全体の連携によってはじめて成立するものです。
私たちは、品質保証を事業の重要な基盤とし、人と仕組みの両面からその高度化を図ることで、持続的な競争力の強化と、社会からの信頼をより確かなものとしていきます。
VOICE
正確な検査は、組織の品質保証を支える重要な機能の一つであると認識しています。
品質保証を支えるためには、分析技術を向上させ、より精度の高い分析結果を現場にフィードバックしていくことが重要です。
自分自身もスキルを高めながら、その役割を担っていきたいと考えています。
機能性樹脂事業本部
機能性樹脂品質保証部
機能性樹脂品質管理グループ
尾方 崚馬
MESSAGE
確かな品質のつくり込みを通じて、顧客満足と丸善ブランドの価値向上に貢献してまいります。
機能性樹脂(半導体フォトレジスト用ポリマー)の品質保証は、単なる「検査」ではありません。品質マネジメントシステムを通じ研究開発から製造、教育、そして人の意識に至るまで、組織全体で品質をつくり込む取り組みです。
最先端半導体分野の進化に寄り添いながら、変化する要求に応え続けるために、機能性樹脂事業部門では、今後も、確かな品質を通じて顧客満足と丸善ブランドの価値向上に貢献していきます。
取締役 常務執行役員
機能性樹脂事業本部・機能性樹脂製造所・購買部 担当
蒲池 良二
掲載内容は公開時点の情報であり、現在の内容と異なる場合があります。

