
丸善石油化学は「化学技術を基盤とし、くらしと産業の健全な発展に貢献する」を企業使命とし、創業以来社会的な責任の遂行と企業価値の向上を目指した事業活動に力を入れ、ステークホルダーのみなさまに支えられながら、今日まで安定した経営を続けることができました。
現在、当社を取り巻く環境は、大きな変革期にあります。当社は、石油化学コンビナートにおけるエチレンセンターとして、カーボンニュートラル等の新しい課題に対処しながら、コンビナート各社の皆様との連携をより強化して、コンビナート全体が健全に発展することを目指してまいります。化成品事業および機能化学品事業においては、更なる拡充に力を入れ、新たな収益の柱を創出してまいります。
カーボンニュートラルへの取り組みについては、当社においては、エチレンプラントから排出される二酸化炭素の削減が重要となります。当社では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業(GI基金)に採択された「エチレンプラントにおけるアンモニアの燃料化」と「廃プラスチックのケミカルリサイクル」の2つの技術開発をコンソーシアムとしてスタートしています。どちらのプロジェクトも計画どおりに進捗しており、2030年の実証を目標としています。
また、「クリーンなエネルギー・製品・サービスの提供」を実現するため、「ISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)」を取得しました。お客様のニーズに対応した、バイオマスやリサイクル原料を用いた製品群を販売できる体制を整備していきます。
安全操業・安定供給については、工場の高経年化も進み、工場の安全を担保しながら、保守作業の効率化などに対応するための一つの方策として、スマート保安を推進し、千葉工場では、経済産業省の新たな制度である特定認定高度保安実施者(通称:A認定)に、2025年2月石油化学事業所として、初めて認定されました。今までの真摯な取り組みの成果であると認識するともに、これに安住することなく、お客様や地域の皆様に信頼される企業として、引き続き安全操業・安定供給に努めてまいります。
基礎化学品のマーケットは当面厳しい環境が続くことが予想されますが、化成品を含む機能化学品については需要が戻って来ている製品もあり、特に半導体の市場は高い成長率が予想されています。このチャンスを逃さず、高い目標にチャレンジしていくと同時に、成長に向けた投資もしっかりと行ってまいります。
これからも、当社は中期経営計画のスローガン「変革への挑戦」のもと、一丸となって困難な状況に立ち向かい、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指していきます。今後とも引き続き、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。