安全操業・安定供給


安全について
当社には安全に対する基本理念および基本方針があり、安全文化の醸成、安全操業のために各種取り組みを行っています。
安全文化の醸成「自主保安活動(CA1活動)」
当社では、さまざまな取り組みにより、安全文化の醸成と自主保安活動の促進を図っています。
CA1(ChemiwayAnzenNo.1)活動は、部署を単位とする全員参加の安全活動です。活動開始当初は5S活動など身近な活動が中心でしたが、現在では目標の設定、活動の計画、結果の評価を自ら管理する「自主管理型」へと進化しています。
また、リスク低減のための改善提案活動では、現場のリスク低減に最も貢献した改善の提案者や、保安防災、労働安全に関して特別な功績があったと認められた者を安全功労者として表彰しています。

防災体制と訓練
千葉工場(研究開発センター・機能性樹脂技術開発センターを含む)、および四日市工場では、石油コンビナート等災害防止法に基づき、災害時は工場長が最高責任者となる自衛防災組織を編成しています。また、コンビナート各社と共同防災組織を設置し、消防活動の相互応援を行います。さらに、大容量の浮き屋根式屋外貯蔵タンクを保有する企業で大容量タンク火災用大型消火設備を共同保有し、災害に備えています。2023年度は、千葉工場・四日市工場ともに訓練を2回実施しました。
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千葉工場防衛隊訓練(2024年3月5日) -
四日市工場防衛隊訓練(2023年6月29日)
物流事故想定訓練
物流トラブルに迅速かつ適切な対応を行うため、毎年、物流事故を想定した訓練を実施しています。2023年度は、近年、大地震などの自然災害が増加していることを受け、大規模災害発生時の物流業務委託先への連絡体制、確認事項などについて再検討を行いました。

丸化物流安全協議会~物流安全のために主要物流業務委託先と構成~
当社では、約20社の主要物流業務委託会社と「丸化物流安全協議会」を設置、活動しています。
ここ数年はコロナ禍の影響により、施設見学会や業種を超えての物流安全をテーマとしたグループワークなどの開催がかなわず、当社からの情報発信やリモートでの会議などの活動に限定されていましたが、2023年6月、4年ぶりに対面での全体会議を開催し、会員各社に多数参加いただきました。年間の活動報告や活動計画、物流トラブル事例の共有などを行い、会員各社間での活発な情報交換の場となりました。

「安全宣言」産業保安に対するコミットメント
当社の安全に対する基本理念および基本方針を表しています。この安全宣言を、本社や事業場内に掲示するとともに、産業保安に対するコミットメントとしてステークホルダーに対し発信しています。

品質保証について
安全操業・安定共有のためには、品質に関わる重大事故の防止、品質トラブルの低減なども重要となります。当社は品質保証に関して、さまざまな取り組みをしています。
品質保証システムによる品質マネジメント
当社は、品質保証システムを構築して品質マネジメントに取り組んでいます。
子会社も含めた全社の品質保証、品質管理に係る組織を品質マネジメント組織と称して、品質部門間の連携を強化するとともに、当社が実施すべき品質保証、品質管理の一連のプロセスを品質マネジメントと定義し、「方針管理」「日常管理」「教育・育成」を3つの柱として活動しています。この活動を定期的な品質監査などによってチェックし、継続的に改善しています。

化学品・製品安全化学品情報総合管理データベースの導入
化学物質管理に関する規制の頻繁な変化に対応するため、2023年に「化学品情報総合管理データベース」を導入しました。これにより、原材料や製品の有害性情報と各国の法規制情報を統合管理し、安全データシート(SDS)の迅速な作成・更新を実現しました。社内外のデータベースを連携させることにより、法規制情報や危険有害性情報の取得・更新が容易になり、お客様に最新情報を迅速に提供していきます。

品質方針
当社では、品質マネジメント活動の基盤として策定した以下に示す「品質方針」のもと、品質保証および化学品・製品安全に関する取り組みを推進しています。

製造現場のDXについて
「テクノロジーの活用(スマート保安)を推進し、『安全ナンバーワン企業』を目指す」をスマート保安方針として掲げ、安全操業・安定供給を継続し、さらなる自主保安の高度化と効率化を目的とした取り組みを始めています。このスマート保安の推進は、非財務中期経営計画項目「デジタル変革(DX)」の取り組みの一環でもあります。
ここに、スマート保安の取り組みの中から、現在進行中の案件について一部をご紹介します。
「スマート保安」の取り組み
ノウハウDB(ノウハウデータベース)
日常的な回転機器のトラブル対応では、過去のトラブル経験をもとに対応しているケースが多く、経験の浅い保全員だと類似事例の保全記録を探し復旧まで時間を要することが課題でした。そこで、質問に応じて起きている現象を入力すると、過去の類似事例を検索できるアプリを構築しました。さらに、現場での使用を考えて携帯端末で操作でき、かつ交換部品の在庫状況も確認できるため、事務所に戻ることなくトラブル対応が行えます。2024年度から段階的に運用開始しています。

検査記録の高度化~現場検査での高性能タブレット端末導入~
定期整備工事にて静機器の開放検査を行う際には、膨大な量の現場検査記録の作成・確認・評価までを短時間で行う必要があります。しかし、設備の高経年化やベテラン検査員の退職および長時間勤務問題などにより、この人に頼った一連の作業が適切に行えなくなり、検査の品質低下を招く懸念がありました。そこで、開放検査記録様式を統一化し、現場でのタブレット端末操作で測定結果などを入力した際、前回との差異の有無を検知して詳細検査の必要性を判断できる仕組みなどを導入し、一部の装置で試運用を開始しました。これにより、検査値の入力、写真撮影、前回値比較を短時間に行うことが可能となります。

AIを活用したデータ統合基盤整備「Cognite Data Fusion®」
装置のトラブルが発生した場合、その原因追究のために機器仕様や図面、保全検査記録、運転記録、さらには品質分析記録など膨大な資料をもとに総合的に解析・評価しなければなりません。それら情報は、各部門で管理しており、個別のデータシステムに分かれているため、必要なデータ収集に時間を要します。
そこで、AIを活用したデータ統合基盤(Cognite Data Fusion®)の整備を一部装置で始めました。特に、このデータ統合基盤では、特定のデータに関する検索を行うと紐づく情報が自動的に収集されるため、必要なデータを容易に検索し加工できるようになります。
現在、一部装置をターゲットに、紙面データや3Dビューアー画像の整備などのデータの電子化を行い、コンテキスト化(データの紐づけ)を実施し、試験運用を開始しています。

MESSAGE

大木 健史
品質保証部・環境保安部・
情報システム部・購買部 担当
2023年度は、労働災害において、千葉工場構内の協力会社で休業災害が1件発生し、全社の不休業災害も5件となりましたが、着実に安全に対する取り組みが進められ、安全意識は向上していると感じています。また、環境面では、事故もなく、大気・水質排出協定値に対し非常に低い状態を維持することができ、現場の作業員一人ひとりの管理が徹底された結果となりました。
2024年度末には、千葉工場で高圧ガスA認定取得※を目指して、スマート保安の取り組みや教育の充実、リスクアセスメントの強化などを進めており、保安力は向上していますので、これからも無事故・無災害を目標に各種活動を活発に進めていきたいと思います。
- ※高圧ガスA認定
高圧ガス保安法に基づき「高度な情報通信技術を活用しつつ、自立的に高い水準の保安を確保できる事業者」として経済産業大臣から認定された特定認定高度保安実施者(A 認定)のこと。