地域社会の安全および活性化

安全への取り組み

1.産業保安に対するコミットメント

当社では、産業保安に対するコミットメントとして、当社社長が「安全宣言」により安全優先の理念・方針を、すべてのステークホルダーに対し発信しています。CSR委員会では、定期的に千葉工場・四日市工場に対して保安防災に関する査察を行い、CSR委員長である社長自ら保安の最高責任者として、作業環境の実態や安全管理について、定期整備の実施状況や訓練などを確認しています。また、安全管理委員会では、保安管理の基本方針の決定、毎年の保安管理実績について審議を行い、CSR委員会に報告を行っています。
2022年度の安全査察では新型コロナウイルス感染症対応による移動制限が解除され、現地でCSR委員長からの現場へのメッセージ発信を行うなど、経営トップの安全へのコミットメントを明確にしながら、自主保安体制の向上を図りました。

2.安全文化の醸成「自主保安活動(CA1活動)」

工務課、設備企画課の活動風景

当社では、さまざまな取り組みにより、安全文化の醸成と自主保安活動の促進を図っています。
CA1(ChemiwayAnzenNo.1)活動は、部署を単位とする全員参加の安全活動です。活動開始当初は5S活動など身近な活動が中心でしたが、現在では目標の設定、活動の計画、結果の評価を自ら管理する「自主管理型」段階へと進化してきました。年1回、全部署がその成果をポスターにし、報告し合うことで社内事例の水平展開を行い、特に優秀な活動を行った部署を表彰しています。
また、リスク低減のための改善提案活動では、現場のリスク低減に最も貢献した改善の提案者や、保安防災、労働安全に関して特別な功績があったと認められた者を安全功労者として表彰しています。

3.工場の安全活動と異常現象等の発生件数

自主保安の基本は自ら設備の検査を行って劣化具合を評価し、適切に補修することでトラブルの発生を未然に防止することです。
当社においても設備の高経年化に伴う外面腐食が大きな課題となっているため、千葉工場・四日市工場では全設備の外面腐食検査を網羅的に行い、維持管理に努める専任チームを立ち上げています。
また、急速に若年化している保全部門の従業員の経験を補うため、各種教育の充実を図っています。
千葉工場および四日市工場における2022年度の重大事故は目標0件に対し、実績0件でした。
しかしながら、異常現象等相当の事故が8件発生しています。これらの事故の大半は設備の経年劣化が原因であり、前述の外面腐食検査を実施し改善を進めています。その他の事故についても安全管理システムに基づく原因究明・再発防止策・水平展開の活動により、事故の低減と保安レベルの改善に努めています。

【異常現象等の件数】

4.保安力評価の実施

2022年度は千葉工場で第三者評価を実施

当社は保安力向上センターの正会員となっており、同センターの「保安力評価を通して、産業界の安全に貢献する」という設立目的に沿って、当社の安全レベルのさらなる向上のため、同センターの保安力評価を取り入れています。同センターの「保安力評価システム」は、「安全基盤」と「安全文化」の2つから成り、約150項目の5段階評価にて保安力評価を行うことで自社の“強み”と“弱み”を把握し、安全レベルの継続的な向上を図るものです。
2022年度は、千葉工場の第4エチレン製造装置を対象に同センターの第三者評価を実施しました。評価の結果、全体としては標準的な水準を上回る評価を受けましたが、プロセスリスクアセスメントなど標準より下回る項目もあったため、重点的に取り組むこととしています。今後は「保安力評価システム」に基づく自己評価を行いながら、定期的に同センターによる第三者評価を実施し、安全・保安活動に活かしていきます。

5.防災体制と訓練

千葉工場・研究所および四日市工場では、石油コンビナート等災害防止法に基づき、災害時は工場長が最高責任者となる自衛防災組織を編成しています。また、コンビナート各社と共同防災組織を設置し、災害時には消防活動の相互応援を行います。さらに、コンビナート内の大容量の石油タンクを保有する企業間で大容量タンク火災用大型消火設備を共同保有し、災害に備えています。
2022年度は、千葉工場、四日市工場ともに2回の訓練を実施しました。

  • 千葉工場合同事業所防衛隊訓練
    (2022年12月16日)
  • 四日市工場防衛隊訓練
    (2022年6月2日)

6.労働災害の防止

各事業所では「安全衛生方針」において無事故・無災害操業の継続を表明し、工場就業者一人ひとりがこの方針を理解し、目標を達成するために努力しています。
また、危険予知活動の一環として、工場幹部や安全衛生委員によるパトロールを定期的に実施し、異なる人の目で現場作業や設備状況を見るなど、災害発生の防止に努めています。
2022年度は安全諸活動を積極的に展開し、すべての事業場で、従業員・協力会社ともに休業災害は発生しませんでした。休業災害ゼロの継続はもちろんのこと、不休業災害も含めた労働災害ゼロを目指して、引き続き全社を挙げて取り組んでいきます。

度数率
強度率

※出典:厚生労働省「令和4年労働災害動向調査」(16化学工業)
度数率:100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す。
強度率:1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数で、災害の重さの指数を表す。
※当社の度数率・強度率は、千葉工場・研究所・四日市工場の従業員を対象に算出

7.物流安全

物流安全協議会の活動

主要物流業務委託会社(20社)で構成する「丸化物流安全協議会」の活動は、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響により、さまざまな制約の中で行いました。特に、コロナ禍前まで毎年定期的に実施していた会員各社事業所への訪問(地域分科会を含む)については原則中止とし、必要な情報共有のために、書面もしくはリモート面談を利用しました。
2022年6月には「全体会議」をリモート開催し、会員各社より多数ご参加いただきました。年間の活動報告や活動計画、物流トラブル事例の共有(原因分析、傾向を含む)に加え、2019年度からは「業務委託先の安全・品質等」について管理状況の調査報告を行っています。今後、対象を海運委託先へと広げていき、物流全般の管理状況調査を進めていきます。

全体会議「業務委託先の安全・品質等の管理状況調査」
「全体会議」リモート開催
物流事故想定訓練を実施(2月)

毎年、物流事故想定訓練を実施しています。2022年度は、危険物質事故対応サービスの契約先である一般財団法人海上災害防止センターにも参加いただきました。今回の訓練は「EO(エチレンオキサイド)のタンクローリーが後続車両に追突され、公道上で走行不能となった」という想定で、現地対応や連絡体系についての確認を中心に行いました。EO(エチレンオキサイド)は、2022年度より千葉工場での操業を停止したことにより受発注や運送ルートが変更となっており、訓練によって連絡体制の課題が抽出されたので、対応策を検討しました。

社会との対話

1.ステークホルダーの皆様との対話

企業使命「化学技術を基盤とし、くらしと産業の健全な発展に貢献する」のもと、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを通じて、ご期待やご意見を吸収しながら継続的な改善を図っていきたいと考えています。
企業使命の実現のため、ステークホルダーの皆様との対話に積極的に取り組みます。

2.千葉工場の取り組み

千葉地区では、長引く新型コロナウイルス感染症の影響により本年度も「特工六町会情報懇談会」は中止となりましたが、可能な限り、行政機関との意見交換や近隣町会との対話を続け、信頼関係を継続してきました。

  • 市原市臨海部企業「国道16号を美しくする会」に加盟し、国道清掃を実施しました。また、夏の交通安全運動として交通安全立哨活動を実施しました。

    飛燕杯小学校野球大会
  • 国道清掃

    コスモ石油(株)千葉製油所とともに市原市内小中学生野球大会および、中学生ソフトテニス大会である飛燕杯を主催・協賛しました。両大会とも、参加の子どもたちは意気盛んにプレーし、盛大に終えることができました。

    飛燕杯小学校野球大会

また、地球温暖化対策の一環として、市原市の緑のカーテン事業に賛同しています。
緑のカーテン事業とは、市原市が、多くの人が利用する公共施設等に緑のカーテンの設置を推進する取り組みで、毎年、賛同企業や団体が、苗、肥料、資材等を提供しています。当社からは、容量40ℓのプランター100個を寄付しました。

3.四日市工場の取り組み

四日市工場では、四日市地区RC(レスポンシブル・ケア)地域対話として、近隣地域の皆様に当社の安全への取り組みなどを紹介する機会がありました。また、四日市地区霞コンビナート各社が加入する霞ヶ浦地区環境行動推進協議会では、コロナ禍で中止となっていたボランティア活動が再開し、海岸の清掃、四日市花火大会後の清掃、里山保全活動などを実施しています。さらに、近隣住民の皆様、行政機関、霞コンビナート各社が参画する霞ヶ浦地域公害防止協議会では、災害防止につながる意見交換を行いました。このように、当社では地域社会の安全維持のためにさまざまな取り組みを行っています。

四日市霞地区
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